子どもの足を守り育む「子ども靴の選び方」
小さな子どもたちの足トラブルが急増中なのをご存知でしょうか?なんと小学生の7割は足に何らかのトラブルを抱えているという研究結果もあります。
足は体の土台です。積み上げられた積み木の一番下がグラグラしていたらどうでしょう?転倒による骨折や前歯の損傷も増えているそう。そして、成長過程の子どもたちの足は神経や脳の発達にも影響します。
子ども達の足を守ってあげられるのは、正しい知識を持った大人です。
今回は、足を取り巻く環境の中でも非常に重要な「子ども靴の選び方」をお届けします。
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うちの子、なんだか足トラブルを抱えてるような・・・。
なんて時はぜひ一度ご相談ください。特にスポーツを頑張っている子や、ご両親が足にトラブルを抱えている子の足は痛みやすい傾向にあります。成長過程の子どもの足は、知識を得てきちんと対処すればトラブルを回避できますし、もしトラブルを抱えていても解決に導くことができます。
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①ベルトがある
靴は、足とフィットして一体化させてあげることが重要。靴の中で足が動くとトラブルの原因に。しっかりフィットさせる為に必要なのがベルトです。ゴムのように伸びるベルトだと効果は半減、足は動いてしまいます。締めた時にしっかり足を固定できるものを選びましょう。
②かかとをつまんでもフニャフニャしない
つまんでフニャフニャするようだと安定した歩行ができない場合があります。飛んだり跳ねたり走ったりしても大丈夫なように、かかとの部分がしっかりした靴を選びましょう。
③靴をねじっても靴底がグニャグニャしない
靴を両手で持ってねじったときに全体が簡単にグニャグニャと曲がるようでは強度に問題があります。疲れやすかったり、怪我に繋がったりすることも。靴には足を守る役割もありますので、グニャグニャする靴は避けましょう。
④かかとに合わせて中敷の上に立ったとき足の指がはみ出ない
靴を履いた状態の足を目で見ることはできませんが、中敷き(インソール)の上に立つことでイメージを補完することはできます。なので、中敷きを外すことのできる靴を選びましょう。中敷きの上に立ったとき指がはみ出るということは、靴を履いたときに指が靴に押されてしまうということ。これは足の変形につながりますので避けましょう。
⑤先端が少し反り上がっている
靴の先端が反り上がっていると歩行を助けてくれます。たくさん歩くことは健やかな成長にかかせません。元気いっぱい楽しく歩くためにも、靴の先端が少し反り上がっている靴を選びましょう。
⑥足の長さに合ったサイズ
サイズはとてもとても重要です。足に対して小さい靴が悪影響を及ぼすことは皆さんご承知ですが、実は大き過ぎるサイズの靴もよくありません。子どもはすぐ成長するからと大きめサイズを買いたくなりますが、月に一度はサイズを計りちょうど良いサイズの靴を選びましょう。
⑦足の先端と中敷の先端の間に適切なゆとりがある
足の一番長い指から中敷の先端までにゆとりがある靴を選びましょう。15センチ以内の靴は5~8ミリのゆとり、15センチ以上の靴は1センチほどのゆとりがあると良いとされています。
⑧指の付け根の部分で靴底が適度に曲がる
人間の足は指の付け根で曲がるようにできています。これは歩行のメカニズムや、飛んだり跳ねたりしたときの衝撃吸収にとって非常に重要な意味を持っています。靴を履いたとき、この機能が失われてしまってはトラブルの原因になります。靴を履いたとき、指の付け根がくる辺りで適度に曲がる靴を選びましょう。
先に子ども靴の選び方を①と②でお伝えしました。
ただしそれらは、防寒に特化した雪国の冬靴に当てはめるのがとても難しかったりします。
雪が溶けて春が来たとき、足が痛んでいたりタコやウオノメができていたり足の指が変形してしまう子どもが多いのはそのため・・・。
残念ながら「これでカンペキ!」と言える万人向けの方法は模索中なのですが、少しでも参考にしていただけるよう雪国における冬靴の選び方についてお伝えしたいと思います。
まず冬靴にとって大事なポイントはこちら。
・防水仕様である
・滑り止めがついている
・靴の内側が暖かい素材で出来ている
とにかく防寒。第二の心臓と呼ばれる足が冷えて良いことはひとつもありません。言うまでもなく安全性も重要ですね。これらは、たいていの冬靴は問題ないかと思います。次に大事だと思うのは、
・足首まわりをキュッと締める機能がある
靴の中で足が遊んでしまうと様々なトラブルのもとになります。完全にフィットさせるのは難しいとしても、なるべく足を遊ばせないような機能がある靴を選べたらと思います。
【 冬靴のサイズ選び 】
通常の靴の選び方では足の長さに対してこれくらいの余裕があると良いですよとお伝えすることが出来たのですが、残念ながら冬靴はそれができません。なのですが、コレを指標にすると良いですよというポイントはあるのでお伝えできればと思います。
・まずは普通の靴と同様に足長で選ぶ
足の先端が窮屈なのはよくないので、まずは普通に足長でサイズのあたりをつけます。問題になるのは、着ている服や冬用靴下との兼ね合いで靴のサイズが大きくなってしまいがちなこと。なので気をつけたいのは以下の二点。
・靴の中でなるべく足が前後左右に動かないようにする
・足の甲と靴がフィットするようにする
冬靴を履いた状態で椅子に座ってもらい、靴を前後左右に動かしてみましょう。足長は合っているのにあまりに動いてしまうようだとトラブルの原因になります。そういう場合は、少し厚手の中敷きを入れると動きが小さくなる場合があるので試してみてください。
よくある勘違いなど、子ども靴にまつわるNG集です。
それがなぜNGなのかの理由も記載しますので、ぜひ今後の靴選びの参考にしていただければ!
【 子ども靴選び よくあるNG 】
・靴のお下がりはNG!
靴は履いた人の足の形に変化します。上の子の履いた靴を下の子に履かせると、姿勢が崩れたり足を痛めることにつながります。
・靴の先端を押してサイズを確認するのはNG!
靴の先端を押してのサイズ確認は本当に多くの方がやりがちなのですが、子供は押された刺激に反応して無意識に指を屈めてしまうことがあります。これでは適切なサイズなのかの確認にはなりませんから、ぜひ中敷を外し上に立って確認してあげてください。
・子どもはすぐ成長するから大きめの靴を買おうはNG!
・小さい靴は足によくない、大きめの靴を買おうもNG!
「大きめの靴を買おう」のよくある2パターン。でも小さいよりはマシなんでしょ?と思われる方もたまにいるのですが、いやいや小さい靴と同じくらい足にとってはよくありません。確かに子ども靴は決して安いものでは無いのですが、子どもたちの健やかな成長のためです。子ども靴への出費は、習い事などと同じで「子どもたちの将来への投資」だと思っていただけると嬉しいです。
・つま先を地面にトントンはNG!
むりやり靴に足を突っ込み、つぶれたかかとを戻そうとしてつま先を地面にトントン!これでは靴の中の足が安定しませんし、靴が痛んで足を守る機能を失ってしまいます。
・かかとに指を入れて隙間を確認しようはNG!
かかとに指を入れて「ゆるい」「きつい」を確認する方がいるのですが、これは全く意味が無いどころか足トラブルにつながってしまいます。かかとは靴と足の一番の接点です。靴のかかとに足のかかとがぴったりフィットしている状態を目指しましょう。
・脱ぎ履きしやすい靴は良い靴だ
脱ぎ履きしやすい靴は、足が靴の中で安定しない、脱げやすい靴だということです。紐やバンドを毎回解いての脱ぎ履きは確かに面倒な気がしてしまいますが、実際は慣れてしまえば1分もかからない作業。足がトラブルに見舞われた時、そのデメリットやそれを回復させるのに必要な労力を考えれば、靴の脱ぎ履きは習慣化してしまった方がぜーったいにお得です。
・とにかく軽い靴が良い靴だ
あまり大きな声では言えませんが、軽いということは本来あるべきパーツが無いという場合もあるのかもしれません・・・。不安定な子どもの足(土台)を支え、正しい姿勢を促す為にはは適度に重みがあるしっかりとした作りの靴が必要です。